藤井猛九段「僕は昔、竜王戦で鈴木大介君とやったときにね。66手で勝ったんですよ。その当時の竜王戦最短手数って言ってましたから、タイトル戦で60手台ってのは相当短いですね」
藤田綾女流初段「NHK杯の読み上げをやっているんですけど、こないだすごく手数が短い将棋があって、
丸山糸谷戦が39手で。投了された瞬間、棋譜を見てテンパってしまって、『49手』って言ってしまったんです。『39手なわけないな』って思って」で、会場大爆笑!
▲7六歩
藤井九段「最近の将棋は、目まぐるしいんですよ。7六歩に8四歩だと、よくある将棋になっちゃうんで、よくある将棋っていうのは、やっぱりみんな先手の見方になっちゃんです。研究すれば、先手のほうが良くなる順を研究するんですよ。だけど、実際は後手を持って指さなければいけない日もあるんですよ」
藤田女流初段「そうですね」
藤井九段「
『俺は先手だけでいいでしょうか?』って訳にはいかないから」で、会場に笑いが!
藤井九段「そうすると、みんなが研究しているだけに、
『8四歩というのはちょっと厳しい』ってなってたんですけど、最近そうでもなくなったんです」
藤田女流初段「7六歩3四歩の出だしが多かったですけど」
藤井九段「3四歩と突くしかないみたいな雰囲気だったのが、先手番が研究し過ぎたら、
『そんなに良くならない』という結果になって」で、会場に笑いが!
藤井九段
「みんな研究しすぎ!!」で、会場に笑いが!
藤井九段
「だから、してない状態と同じになっちゃったの!」で、会場大爆笑!
藤井九段「3、40年前までは、あんまり研究してなかったからどっち持ってもいい勝負だったんですよ。20年ぐらい前に研究して先手が良くなったんですけど、
最近はさらに研究し過ぎて、『先手が良くならない!』ってことがわかっちゃったんですよ」で、会場大爆笑!
藤井九段「今、居飛車党の間でよく指されているのが、7六歩3四歩2六歩8四歩ですよね。これが
『後手を持っていい』という人が多いんです。ここから・・・」
藤井九段
「横歩取りで8五飛5二玉みたいな、どうでもいいようなやつあるじゃないですか?」で、会場大爆笑!
藤田女流初段「先生がやらないからじゃないですか」
藤井九段「どうでもいいですけどね!」
横歩取り? どうでもいいです!!(キリッ藤井九段「8四歩と突かれて羽生名人も
『しょうがないか』っていう感じで銀を上がったんです」
▲7八金
藤井九段「ホントはこうやりたいんですけど、ホントはね」
藤井九段「でも、こうすると5三銀って出られるんですよ」
藤井九段「早囲いのいい所は、2六歩と突くことによって、後手からの急戦を封じてしまうことが出来るんですよ」
▲3七銀
藤井九段「これが早囲いを目指すときの基本図ですね」
藤井九段「振り飛車ばっか指していた私が矢倉を・・・」
藤田女流初段「そうですよね。藤井システム・・・」
藤井九段「藤井システムも有名になりましたけどね。きっかけは偶然なんですよ」
藤井九段「この将棋勝ったんですよ。
うまい指し回しで!」で、会場大爆笑!
藤井九段「相手は、居飛車党の本格派でね」
藤田女流初段「それは、どなたなんですか?」
藤井九段
「それは名誉のためにね」で、会場大爆笑!
藤井九段
「当時、矢倉初心者の私が、ここから見事な指し回しで」で、会場大爆笑!
藤井九段「
『あっ、これイケるじゃん』ってことでね。こんな感じの矢倉なら自分でもイケるかもしれないということで」
藤田女流初段「それがきっかけで」
藤井九段「そうです」
基本図に戻って藤井矢倉の解説
藤井九段「7五歩と仕掛けて
『後手勝ち』の局面から、現れなくなってしまったんでね。これさえクリアできればイケるだろうってことで、研究したんですよ。でも、まだ指されたことがないんですよ。だから、ここでどうするかは・・・」
藤田女流初段「企業秘密なんですね」
藤井九段
「企業秘密です。同歩と取るということだけは教えておきます」で、会場大爆笑!
part6に続く
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