上田初美女流二段「藤井九段はペア将棋よくやられますか?」
藤井猛九段「解説のほうが多いですね」
上田女流二段「対局者として指したことは?」
藤井九段「もしかしたら、1回ぐらいしかないかもしれないですね」
上田女流二段「えっ!? そんなに少ないんですか?」
藤井九段
「何でですかね? 嫌われてるんですかね?」
上田女流二段「そんな事ないですよ。みんな
『藤井先生と組みたい♪』と言うからケンカになっちゃうといけないからやめてるんですよ」
藤井九段「穏やかな将棋になりそうでいいですね。持久戦だと良かったですね。さっきの三浦君とのは『あっ!』と言う間に終わっちゃって、申し訳ない」
上田女流二段「ふふふふっ」
藤井九段「まさかまさかの・・・勝つと思ったんで、最後の形はね。勝ちだと思って踏み込んだら、負けだったんですよ」
上田女流二段「あらっ」
藤井九段「負けると思ってあんなことやらないですよ」
上田女流二段
「ふふふふっ」
藤井九段「勝ちだと思ってチャンスだと思って踏み込んだら・・・ああいうのはついてないという言い方をしたほうがいいのかどうかわからないんですけど」
上田女流二段「私、残念ながら指導対局をやっている間に対局が終わっちゃったんで、見てないんですよ」
藤井九段「えっとね。踏み込んだら打ち歩詰めだったんですよ」
上田女流二段「あらっ」
藤井九段「それをね、三浦君はね
『ついてました』って言うんですよ。それはいいんだけど、僕の方は、じゃあ・・・
ついてなかった・・・それは新年早々良くないよね」
上田女流二段「そうですよね」
藤井九段「実力ですよ。実力で負けたんで、ついてなかったわけじゃないんですよ。まぁいいか、そんなことは」
上田女流二段「ふふふっ、将棋の解説しましょうか」
▲1五歩
藤井九段「これ大きい手ですね。これ終盤で大きいですからね。
僕が言うんだから大きいですよ」で、会場に笑いが!
上田女流二段「僕が言うんだからってどういうことですか?」
藤井九段「僕はだって、専門家だから」
上田女流二段「あー、なるほど」
藤井九段「専門家でありながら、なかなか最近指してないからね、無くなっていって・・・」
上田女流二段
「もう指さないんですか? そういうこと聞いちゃダメか」
藤井九段
「えっ!? もう一回言ってください」
上田女流二段「もう指さないんですか?」
藤井九段
「何をですか?」
上田女流二段
「四間飛車」
藤井九段
「『もう指さないんですか?』と言われたら『そんなことはないですよ』と言うしかありませんですけれども」
上田女流二段「みんな見たがってますよ」
藤井九段「さんざん見たんじゃないですかね?」
上田女流二段「もう一回見たいんです」
藤井九段「もう一回? もう一回か・・・」
上田女流二段
「ふふふっ」
藤井九段
「笑ってるじゃないですか!」
上田女流二段「笑ってないです。真剣です」
藤井九段「なんですかね。ちょっとずつ好みが変わってくるんですよ」
上田女流二段「今の好みは、それではないと」
藤井九段「そうそう。肉が好きだったんだけど、魚が好きになったみたいに」
上田女流二段「大人になるにつれて味覚も変わりますからね」
藤井九段「変わるしね。最近、ちょっとこってりしているのが苦手になってきたんですよ。四間飛車って結構こってりしてるんで」
上田女流二段「そうですね」
藤井九段「だんだん、なんていうかシンプルな形が好きになってきたんですね。僕のは居玉のまんま駒組み進めたりするから、序盤からちょっと緊張感が絶えないんですよね」
上田女流二段「そうですね。確かに」
藤井九段「最近やっぱり囲ったほうがいい・・・だんだん原点回帰っていうんですか。それもいいじゃないですか」
part15に続く
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