
高松さんの質問「清水さんとの対局でのあからのクラスタシステムとしての出来は何点ぐらいだったのでしょうか? それと、プログラマーとして今回の出来は何点でしたでしょうか?」
「もうひとつ。今日は松原先生はいらしてないのですが、松原先生は鉄腕アトムの研究をしていて、本当はコンピューター側が指すのであれば、
鉄腕アトムの格好で座って7六歩と指してそれで勝つとコンピューターが勝ったかなっていうように思えるのですが、その研究はいかがでしょうか?」

保木邦仁さん「あからは大体何点ぐらいでしたか?」
山下宏さん「95点ぐらいじゃないですか」

保木さん「
95点頂きました。最初みなさん心配していて、今まで『コンピューターは負けて当然だ』という気持ちでやっていたのですが、今回はもしかしたら『負けたらいけないんじゃないか』という対局でした。生まれて初めての変な緊張をみんなしていたと思います。開発者の多数の方々もそうなんですけど、先ほど紹介に挙がっていた松原先生はプログラムを作っているわけではないんですけど、トップの人なのでなんとも言えない汗が出ていたんじゃないかと思います。それで、無事に投了まで指しきることができたので、私も90点以上だったんじゃないかなと思います。残りの5点は何ですか?」

山下さん「残りの5点は、今回残念ながらクラスタシステムの票が低かったので、ほとんどバックアップしか動いていなかったような状態なので、もしこのクラスタシステムが安定して動いて、票の重みを逆転させれば、たぶん
今の2.5倍ぐらいは強いあからになるんじゃないかという期待を持っています」

勝又清和六段
「2.5倍? あそこで上野理事がのけぞってるよ!」で、会場に笑いが!

山下さん「そうですね。棋力で言うと2.5倍というのはちょっとあれですけど、あと一段くらい強い状態に持っていけるんじゃないかなと期待しています」

高松さん「ロボットの格好で将棋を指すのは何年ぐらい先になるのでしょうか?」
山下さん「あからのチームの人たちも、
『今度はロボットが指して欲しいね』って話してたんですけど、そっちの分野はあからより遥かに難しいので、実現は遥か先になると思います」

勝又教授による本日のまとめ
勝又六段「こういう機会を保木さん、山下さんに頂いて、説明会を設けられたことは非常にありがたいと思います。コンピューター将棋についても、プロ側についても正しく伝わってないようなところがありましたし、清水さんのほうも『負けてしまった』という事実が先に出てきましたから、どうやって戦っていたかとか何を考えていたとかは伝わってないところがありましたが、こういうことで、どちらも一生懸命戦っていたというのがわかれば幸いだと思います」
「ちなみに、今は気楽にやってましたけど、当日の朝は
開始10分ぐらい前まで、山下さんは調整してましたし、保木さんは顔色がエライ悪くからどうしたのかと思ったら
『胃痛で倒れた』とか言ってましたし、それくらい合議マネージャーというのは大変なわけですね」
「合議というのは非常に優秀というのは認められていますけども、全部の意見をまとめてキチンとやるというのはなかなか大変ですし、東大のコンピューターは実験できなかったということで、クラスタの重みを下げなければならない。実際には何台も飛んだわけですし、もし吹っ飛んで動かなくなったら、コンピューターの負けなわけですから、人間でいうと負傷退場みたいなことになってしまうので、そうさせないように最後までやるというのは並々ならない努力をあからチームの方々は大変だったと思います。その努力の部分も認めて頂きたいと思います」
「まぁ、今後については、
こういう勝負を盛り上げたいという方がいらっしゃれば日本将棋連盟としても協力したいと思いますので、今日は上野理事もいますので、そういう話があればお願いします」
「ついでに、合議制は他のことにも・・・天気予報にも使われているとか言われてますけど、どんな感じなんでしょうか?」
保木さん「伊藤先生が会場にいらっしゃるので」
勝又六段「将棋で合議制を提案したのは伊藤先生でございます」
伊藤毅志先生「急に振られてちょっとビックリしているのですが、合議は元々この目的で考えたもので合議が他に使われているのが無いのかなって調べてみたら、気象予報なんかで使われているのを知りました。気象庁の予報を見て頂くとわかるのですが、晴れとか雨とかの下の所にABCとか書いてあるのですけれども、Aは非常に信頼性が高い、BCとなると信頼性が低いという事なんですけど、気象庁のほうでは50台のスーパーコンピューターを並列に動かして、全部が晴れだと予想したら非常に信頼性が高い。意見がどれくらい分かれたかによって、信頼性が変わるということを実際にやっているそうです」
保木さん「GPSの金子さんもいらっしゃっているので」

「あからの評価値」について
金子知適さん「△4五同桂と書いてあるところの後に、▲6六金って書いてあって、それはコンピューターの評価値が
『ありがたい』と思って上がったのに、その後下がったんですね。そのあたりが面白くて、実際は
『見たほどコンピューターにとってありがたくないんじゃないの?』ってのがコンピューターの数値が示していて、佐藤康光先生の評価も
『6六金いい手だったんじゃないの』と仰っていて、その辺の一致振りが面白いと思いました」

勝又六段「今後も、上野理事が力強く言っていたようにまた人間対コンピューターがあると思いますので、ぜひとも、コンピューター、将棋相互の理解を深めて頂いて、プロ将棋の対局と共にコンピューター将棋のイベントも来て頂きたいと思います。
今度のゴールデンウィークに早稲田大学でコンピューター将棋選手権を行いますので、ぜひ見て頂きたいと思います」
高松さん「かなり時間が押してしまって
『あから/100』との対局がなくなってしまって、この日のために作って頂いたので、別の機会にデモンストレーションをやって頂けると思います」

高松さん「本日、講師の勝又先生、山下さん、保木さん、そして今日お昼から指導対局ということで上野理事と中村真梨花女流二段にもおいで頂きました。講師の皆さんに大きな拍手を頂きたいと思います」
会場が拍手に包まれました。
「本日は大変長い間ありがとうございました」

保木さんと渡辺明竜王共著の
「ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか」にサインをして頂きました。
なんと、保木さんは初めてサインをしたそうです。

山下さんの書籍がなかったため、
「AI将棋」のユーザーズマニュアルにサインを頂きました。
JISA(情報サービス産業協会)のホームページに当ブログを紹介して頂きました。
直リンク(PDF)は
こちらです。
Special Thanks!
社団法人情報サービス産業協会(JISA)、
コンピュータ将棋協会(CSA)、
一般社団法人情報処理学会(IPSJ)、
日本将棋連盟・勝又清和六段、上野裕和五段、中村真梨花女流ニ段、
リコー将棋部、
NECソフト将棋部、
FDMC将棋部、
日本橋「結ぶ」
ブログ/ツイッター等で広報していただいた皆様に心より感謝申し上げます。(山下、保木)
トップページへ