対局再開してから数手進んで・・・
深浦康市九段「じゃ、ここで、先手の戸辺甲斐ペアの読み筋を聞いてみましょう」
まずは手番の戸辺誠六段から
“甲斐さん、大丈夫ですか?”と聞こえてきそうですね
深浦九段「この8六歩は戸辺さんが突いたということで、どうですか感触は?」
戸辺六段「もうちょっとじっくり行きたいと思ったんですけど、そろそろ戦いを起こしたいかなと思いまして」
深浦九段「やっぱり、どこかぶつけたくてしょうがないかなぁって」
戸辺六段「結構我慢してたんですけど・・・実は、7六歩、3四歩、1六歩、1六歩はボクが突いたんですけど、甲斐さん中飛車が得意なので、中飛車もできるように様子見たんですけど、7五歩パシッっと来たんで
『あっ、今日はオレに着いてくるんだ!』みたいな」で、会場大爆笑
しかし、甲斐智美女流二冠はノーリアクションなので、ちゃんと聞こえてないようです
深浦九段「自信の程は?」
戸辺六段「そうですね。一応互角にさばけてますし、今の所は順調に行っているというか、割と自信ありますね」
深浦九段「なるほど、ここからうまくさばく自信があると」
戸辺六段
「ありますね!」
深浦九段「力強いコメントで、期待できますね」
戸辺六段
「任せといてください!」
この自信みなぎるコメントで、会場は「おぉ~!」と、どよめきが起こりました。
清水市代女流六段
「『任せといてください!』って言葉に言われるとクラッっとしますよね。いいですね」
深浦九段「甲斐さんに聞かせたかったですね」
続いて、甲斐女流二冠
深浦九段
「甲斐さん気をつけてくださいね!」
ここ通って行くんですか? 結構狭いですよ!
最短ルートを攻める棋風なんですね!
深浦九段「スタートが早石田という形になりましたけど、これはどうですか?」
甲斐女流二冠「ほとんど経験がなくて、指したのは初めてでした」
深浦九段「でも、7五歩として石田流の意思表示をしたのは甲斐さんですよね?」
甲斐女流二冠「はい。戸辺さんが石田流が得意ですし、最近三間飛車の勉強をしていたので、先手番になったらやろうかなぁと思っていました」
二冠を獲得してもなお、新しい戦型の勉強をする姿勢には本当に感服致します!
深浦九段「今の局面はどうですか?」
甲斐女流二冠「この後、どういう風に攻めを続けていくのかが、まだちょっとよくわかってないんです」
深浦九段「持ち時間も迫ってきてますんで」
甲斐女流二冠
「この後は、戸辺さんにひたすら着いていこうかなって思います」
深浦九段「次はどう指されますか?」
甲斐女流二冠「これをこう取りたいと思います」と、6二の馬と6三の銀を指差して説明しました
深浦九段「なるほど、どうでしょう自信は?」
甲斐女流二冠「まあまあ、あります」
深浦九段「はい。わかりました。ありがとうございました」
清水女流六段「自信満々の戸辺甲斐ペアという事でしょうか?」
深浦九段「甲斐さんがああいう風に言う時は自信が大きくあるんでしょうね」
清水女流六段「そうですね。結構慎重派なので、不確かな時は何も言いませんので」
対局再開して、甲斐女流二冠は宣言通りに▲6三馬と指しました
part8に続く